今や名古屋を代表する観光資源となっている名古屋めし。
2005 年の愛知万博を機にブームが本格化したといわれます。
それに先駆けて代表的ブランドを集めた“名古屋めしストリート”として人気を博してきたのがエスカでした。
当コラムでは、名古屋めしに詳しいフリーライター・大竹敏之が、エスカに出店する人気店の店主や担当者と対談し、出店の経緯やブレイクまでの経緯などを語ってもらいます。
目次
第 14 回 海老どて食堂
▼「特大海老ふりゃ~の大きさには皆さんびっくりされます。写真や動画を撮ったりして、食べる以外のエンタメ性も含めてお食事を楽しんでいただけます」

海老ふりゃ~+どて味噌を新しい名古屋名物に!
海老どて食堂 バイトリーダー 松田奈緒さん
「海老どて食堂」バイトリーダー。静岡県浜松市出身。大学進学で名古屋に移り、以後現在にいたるまで名古屋市在住。「海老どて食堂」開店間もない頃からアルバイトとして勤務し、勤続13 年。もちろん海老大好きで、海老フライだけでなく海老天も好き。
海老フライが名古屋名物になったきっかけはタモリさん!?
――「海老どて食堂」は海老フライをメインにしたユニークなお店ですね
松田さん「はい。しかもサイズの異なる5 種類の“海老ふりゃ~”をご用意しています。中でも約35 ㎝の特大、さらにはこれを3 本盛りつけた特大海老ふりゃ~タワー丼には、皆さんびっくりされます」
――名古屋めし界隈では「海老フライは名古屋めしなのか?」問題がしばしば侃々諤々します(笑)
松田さん「それについてはなごやめし普及促進協議会のアドバイザーを務める大竹さんのご意見をお聞きしたいと思っていました(笑)」
――海老フライは名古屋発祥ではなく名古屋限定でもない。にもかかわらず名物になったのは、そもそも1980 年代にタモリさんが『名古屋の人は海老ふりゃ~をごちそうだとありがたがる』とイジったのが始まりだといわれています。
ネタにされるということはもともと海老フライを出すお店が多かったともいえますし、愛知県特産のえびせんべいもあるし、しかも愛知県の県魚は車海老。海老好きな土地柄の上、広く食べられていることは確かです。名古屋めしチームのベンチ入りはしているといっていいんじゃないでしょうか(笑)
松田さん「それを聞いてほっとしました(笑)」
海老ふりゃ~+どて味噌でオンリーワンの名古屋名物に
――しかも、ここではいかにも名古屋らしい食べ方ができるのですよね
松田さん「そうなんです。鍋でどて味噌を温めてこれをディップして召し上がっていただきます。すべてのメニューに海老ふりゃ~がついていて、そのうち3 割はどてがついています。このどて味噌+海老ふりゃ~の組み合わせ、そして特大海老ふりゃ~を二本柱として、新名古屋めし、新しい名古屋名物として発信していきたいんです!」
――確かに名古屋らしさがあり、しかも他にはない新しさもある。新名古屋めしといえそうですね。お客さんは「海老フライ=名古屋めし」という認識でいらっしゃるのでしょうか?
松田さん「いろいろなものに味噌をつけて食べるのは名古屋特有の文化ですから、少なくとも海老ふりゃ~+どて味噌の組み合わせには名古屋らしさを感じてくださっていると思います」
▼どて味噌は赤味噌に海老風味を加えた秘伝の味。卓上でコンロを使って温め、沸騰した生卵を入れてかき混ぜる。赤味噌の濃厚な甘辛さに卵のまろやかさが加わる

ディスプレイや割り箸の袋などエンタメ要素も合わせて楽しめる
――名古屋めしストリートとも称されるエスカならではのお店ともいえますね
松田さん「当店を目当てにご来店してくださる方もいれば、名古屋めしを食べたいとエスカに来て、いろいろなお店がある中で当店を選んでくださる方もいらっしゃいます。エスカにあるからこそ名古屋めしの店として受け止めていただけるのだと思います」
――お客さんの傾向、そして反応は?
松田さん「名古屋の方も海老がお好きなので地元のお客様もいらっしゃいますが、やはり観光客の方が多いです。関東など遠方からわざわざ来た、とおっしゃってくださる方も。海老は海外でも広く食べられていますし、万人に好まれるので、国内外の幅広いお客様にご来店いただけます。
店の入口と店内に大きな海老ふりゃ~のディスプレイもあり、どて味噌を温めて自分でつけたり、割り箸の紙袋を開くと定規になって海老のサイズを測れることも含めてエンタメ性がある。どちらかというと女性の方がリアクションが大きくて楽しんでくださっているのがわかります。ほとんどの方が、スマホで写真や動画を撮ってくださり、それをSNS に投稿されることでお店のPR にもつながるのでありがたいです」
▼店内に吊下げられた巨大な海老ふりゃ~。映える要素があちこちに

――SNS で見て、「これを食べたい!」と目的をもって来てくれるお客さんも多いのですね
松田さん「特に海外のお客様は、SNS の写真を見せて『 これと同じものを』とご注文される方が少なくありません。日本最大級とうたっている特大海老ふりゃ~タワー丼は35 ㎝の特大海老が3 本も盛られているので、『1 人で食べられますか?』というご質問も。もちろんおひとりで完食される方もいらっしゃいますし、シェアもできるので皆さんで楽しんで召し上がって下さいとお伝えもしています」
▼特大海老ふりゃ~タワー丼は 10780 円( 写真は特大海老4 本)。シェアして食べる人が大半だが中には1 人で平らげる大食漢も!

海老ふりゃ~を名古屋名物として世界に発信
――海外のお客さんも多いとのことですが、接客で心がけていることはありますか?
松田さん「私自身は片言の英語が話せる程度なのですが、メニューに英語、ハングル語、中国語を併記してあり、モバイルオーダー式なので不便はありません。ただ、だからといってお客様や機械まかせにするのではなく、海老の種類やボリュームなどよくあるご質問には答えられるよう、他のスタッフにも声をかけています」
――今後取り組んでみたいと思っていることはありますか?
松田さん「海老ふりゃ~を名古屋めし、名古屋名物としてもっと広めていきたいと思っています。海老ふりゃ~の新しい食べ方もいろいろと試作しています。観光のお客様はもちろん、地元の人にもより親しんでいただけるよう、おいしい海老ふりゃ~をご提供していきますのでよろしくお願いします!」
店舗情報

海老どて食堂
2012 年オープン。海老フライに特化した名古屋でも他にないユニークな食堂。海老フライがメインの定食の他、どて味噌付きの名古屋串盛り、海老+うなぎの極丼など、メニュー構成は多彩で、手羽先唐揚げ、どて煮、味噌串カツなどの名古屋めしメニューもあり、ランチだけなく飲みにも使える。持ち帰りで特大海老ふりゃ~、大海老太巻き、城盛り海老もある。
Tel 052-459-5517
11:00~21:30(L.O20:30)
【聞き手】大竹敏之
名古屋を専門分野とするフリーライター。エスカの名古屋めし推しの取り組みについては著書『間違いだらけの名古屋めし』(ベストセラーズ)にも詳しい。著書はこの他、『名古屋金シャチさんぽ』(風媒社)『名古屋の酒場』『名古屋の喫茶店完全版』(リベラル社)など。
Yahoo!ニュースに「大竹敏之のでら名古屋通信」を配信中。
https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/otaketoshiyuki












